今年買った本まとめ
この記事ははんドンクラブ Advent Calendar 2021 14日目の記事です。
当初考えて三分の一ほど書いていた内容*1がどうにもこうにも間に合わない&それどころじゃないという事態になり、少しずつ電車の中で書けるものに急遽内容を変更してお届けします。
2021年に買った本のまとめです。
- 基本的にコミックは含めず。雑誌や古書も含めません。
- 昨年12月末から今年12月まででhontoに登録しているものについて時系列に感想など。
あなたを閉じこめる「ずるい言葉」 10代から知っておきたい
森山 至貴 (著)
Twitterで紹介されてて仕事で使っていけるかなと思いざっと読んだあと、隣席の同僚に貸してそのままなので詳しく思い出せない本。言葉について深く掘り下げていてあり、しっかり意味を考えて言葉を使っていかないとなと思える一冊。
先日「貸した本どうしてる?」と聞いたら「家の本棚にありますね…」と言っていたので、返ってこない可能性が高いです。
猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか
斎藤 環 (著)
斎藤環の評論集。
表題の内容で「ねこかわいい!」と書いている他は基本的にサブカルチャーについての評論が小難しく書いてあり、読む人を選ぶととても思います。雑な紹介になりますが自分は好きなんですよ。
好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く
著者:瀬那 和章
冷凍イナバPが神戸を舞台とした小説を挙げた二冊のうちの一冊
三姉妹からみた物語をオムニバス形式で書かれてます。ひさしぶりにこういう小説を読んですごくくすぐったい気持ちになりました。
三姉妹では三女が好きです。
三宮ワケあり不動産調査簿 賃貸マンション、怪談つき
著者:秋田 みやび, イラスト:高田 桂
冷凍因幡Pが紹介してた小説二冊目。
ほんの少し読んでテンポが合わなくて読めなくなり、なにか機会があればまたページを開くと思います。
マンガでやさしくわかるオープンダイアローグ
向後 善之 (著), 久保田 健司 (著), 大舞 キリコ (作画)
定冠詞をつけたいくらいに「漫画でわかる」といった内容。
大まかに漫画でわかります。
まんがやってみたくなるオープンダイアローグ
斎藤 環 (解説), 水谷 緑 (まんが)
もう一冊のものとは違い、どちらかというと斎藤環とオープンダイアローグという内容。
心と他者 (中公文庫)
野矢 茂樹 (著)
最初の20ページくらいまで読んで頓挫してます。
今じゃないと思って積み。
感じるオープンダイアローグ
森川 すいめい
オープンダイアローグを学んでいく中で筆者自身が持っていた課題を受け止め、解決ではなく解消していく過程が綴られている。
オープンダイアローグそのものの解説はあまりなく、それを学んでいった自分と向き合い続けた記録です。
みんな苦悩を抱えてるなぁと。
「オープンダイアローグ」は本当に使えるのか 「現場」で活用するための多角的な検証 「オープンダイアローグ」についての報告 検証のための討議 技法と治療効果をめぐって (飢餓陣営せれくしょん)
飢餓陣営 (編), 佐藤 幹夫 (編)
とある組織の会合で「オープンダイアローグというものが入ってきたけどみんなどうよ?」と話して「ええんちゃう?そんなん使えるわけないけどね」という批判的に話がなされたときの記録(個人的な感想です)
とりあえずオープンダイアローグについての本を買い集めてた中の一冊で、中にはこういう批判的に書かれたものもあるよねとは思う。とりあえずいいと思うよという内容もあるにはあるけど、基本的には賛成されてないと感じます。
クラゲ水族館BOOK
鈴木朱紀子
はんドンのクラゲ担当(?)のすてらさんのおすすめクラゲ写真集。話を聞いて電子書籍で買ったけれど、これは紙の本がよかったなーと買って秒で思った一冊。
大学教授、発達障害の子を育てる (光文社新書)
岡嶋裕史 (著)
発達障害の子ども育てる中で、その様子を観察しながら自分の中にある発達障害的な部分を見つけていく様が書かれてる本。
主題が子どものことなのか自分のことなのかわからなくなるけど、子育て中に気がついたことを書き綴ったエッセイなので表題としては何も間違ってない。
対話のことば オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得
井庭崇 (著), 長井雅史 (著)
パターンランゲージという手法でオープンダイアローグについてまとまっており、コツとなる言葉を取り入れていき学んでいく本。
少なくともこれ一冊じゃどうしようもなくて、あくまで体系を学んだのち副読本か手元に置いて参考にしていく本だと思います。
とはいえど対話というものについて本書から学ぶことも大いにあるので、オープンダイアローグという考えだけのものではなく有用な一冊になると思います。
環状島へようこそ トラウマのポリフォニー
宮地尚子 (編)
環状島とは伊豆諸島の青ヶ島のような形状の島のこと。
それを内外からの見た目や島の内外への行き来をモデルとして人々の持つトラウマへの当事者及び支援者のアプローチ方法を考えていくと言った内容。
本書内で論じられた環状島モデルをこれからどのように発展させていくかを課題として、今後のトラウマ研究において興味深いものとなってます。
協働するナラティヴ グーリシャンとアンダーソンによる論文「言語システムとしてのヒューマンシステム」
ハーレーン・アンダーソン (著), ハロルド・グーリシャン (著), 野村 直樹 (著 訳)
ナラティブと社会構成主義に関して学び直す一環で読み始め、何度も読み直すことになった一冊。
もとは1985年(だったか?)の論文。今では少し考えが更新されているものの、ナラティブとはなんだろうかと考えるときに大切なことが詰まっています。
アナログゲーム療育 コミュニケーション力を育てる 幼児期から学齢期まで
松本 太一 (著)
職場でアナログゲームを中心に活動を考えていこうと思い、業界内で表題のことを銘打って活動していらっしゃる方の考えを取り入れていくため、デスクの上に常に置いています。
ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ
デヴィッド・ボーム (著), 金井 真弓 (訳)
別の本で紹介されていたので購入。
ビジネス本のところにあったのですが、読んでいてやっぱりビジネス本のようだったのでとりあえず急がないと思い置いてます。
オープンダイアローグ
ヤーコ・セイックラ (著), トム・エーリク・アーンキル (著), 高木 俊介 (訳), 岡田 愛 (訳)
オープンダイアローグの教本の1つ。
オープンダイアローグについては今年になってしっかり学び始めたのだけど、哲学を身につけ知識の穴埋めをしていく過程で必要になったら開こうと思う1つのお守り的な一冊。
あなたへの社会構成主義
ケネス・J.ガーゲン (著), 東村 知子 (訳)
オープンダイアローグに至ってから、ナラティブセラピーをついて基礎から学び直す過程で、社会構成主義について身につける必要があり、よく参考にされていたものを読んでいます。
平易な文章ながら書いてある内容は飲み込むのに時間を要するものもあり、かなり読むのに時間がかかっています。
なんとか今年中に読み切りたい。
みんな水の中 「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか (シリーズケアをひらく)
横道 誠 (著)
今年のマイベスト。今年と言わず多分これまで読んだ本十選を作るなら確実に入れる一冊。
エッセイでもあり詩でもあり私小説でもあり。さまざまにマイノリティである作者から見た世界、感じる世界は共感も驚きもある。
ものすごくおすすめしたいのだけど、時として難解なので人を選ぶのかもしれません。
関係の化学としての文学
斎藤 環 (著)
途中まで読んで「それぞれ書評…というか分析の対象になった本を読んでないとどうにもわからない」と思い、とりあえず放置。面白く読めるんだけど…
そういえば古書店で買ってます。
つながりの作法 同じでもなく違うでもなく (生活人新書)
綾屋 紗月 (著), 熊谷 晋一郎 (著)
当事者研究を主軸に、アスペルガー症候群である綾屋と脳性麻痺である熊谷それぞれの体験談が展開されています。
綾屋さんの話は「ほんそれ、わかる」、熊谷さんの話は「わかってはいたけどそうなのか」と思うところが多々ありました。
ピアカウンセリングやナラティブセラピーをずっとテーマにしてきた自分にとってはまた新しい学びを得た一冊でした。
時間と自己 (中公新書)
木村 敏 (著)
少しずつ読んでます。
まだ序盤をなんとか読み込んでるところですが、自分の中で時間についての考えが少しずつ変わっていってるのがわかります。もしかして自閉スペクトラム症の人の時間の捉え方についてここから読み取れるのではないかとも考えています。
オープンダイアローグ私たちはこうしている
森川 すいめい (著)
オープンダイアローグの実践について、結局のところどうなんだろうということで読み始めました。
あくまでクリニックでの実践で参考にはなるけれど、これあくまでドクターがやってるからできてるんだよな…という気持ちを持つことになりました。
自閉症は津軽弁を話さないリターンズ コミュニケーションを育む情報の獲得・共有のメカニズム
松本 敏治 (著)
「自閉症の人は方言を話さない」のは何故かという前作の内容に対する意見を踏まえてさらに精査している内容です。
実際には方言を話している人もいることから、自閉スペクトラム症の特性、そのコミュニケーションについてなどを詳しく解析した上で改めて結論に向かっていっています。
コロナ・アンビバレンスの憂鬱 健やかにひきこもるために
斎藤 環 (著)
積んでます。
ちょっと違う本を読みたいとき用にあるのですが、色々と時間が足りないです。
発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち
本田秀夫
発達障害系の本は似たり寄ったりになりがちで、そうでないときはちょっと突飛な内容なこともあるのですが、そういうこともなくその特性の捉え方や付き合い方についてとても分かり易い内容だと思います。
リエゾン ーこどものこころ診療所ー(1)
ヨンチャン(著), 竹村優作(原作)
漫画ですけどあえていれました。
自分の恩師は児童精神科医でした。ここに出てくる医師とは全くキャラが違って穏やかな方でしたが、いまの時代に臨床医でいらっしゃったならどんなふうに診察されるんだろうと読みながら思います。
昨今のこの作品内で取り上げられている問題が一般的に知られるようになってきた感があります。また自分がこういった現場の末席で仕事をしてきて、ここで描かれている物語はセンセーショナルな内容に見えるけれども、実際こんなことも少なくないので「うっ…」となることもあります。
なんにせよおすすめです。
哲学探究
ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタイン (著), 鬼界彰夫 (訳)
ナラティブセラピーや社会構成主義を学ぶ上でどうしてもウィトゲンシュタインは外せないので手元に置くことにしました。
来年から読んでいきたいと思ってます。
ナラティヴ・セラピー 社会構成主義の実践
S.マクナミー (編), K.J.ガーゲン (編), 野口 裕二 (訳), 野村 直樹 (訳)
買ったばかりで積んでます。
ナラティブセラピーの本ですが、社会構成主義を学ぶには最適としてちょくちょく挙げられていたので購入。
からだ・こころ・生命 (講談社学術文庫)
木村 敏 (著)
こちらも買ったばかりで積んでます。
積んでるというか持ち歩いてます。
大人が楽しい紙ペンゲーム30選
すごろくや (著)
仕事用に買いました。
こういう情報ならインターネットにたくさんあるっちゃあるのですが、紙の本として手元にあるのは大事です。
数人で遊べるものから、そんな人数で遊ぶものも!?と驚くような内容もあります。
急遽決まった自分の異動前に冒頭の同僚に渡したら「参考にしますね」と机の中に入れていたので返ってこないかも…
所感
昨年末からオープンダイアローグにハマって前半はそれに関する書籍を買い集め、そこから幅が広がっていった様子がよくわかります。
斎藤環先生の著作がよく目立ちます。以前から好きでしたが、ここ数年でとりあえず全部集めてみようかと思いはじめ過去の著作も集めるようになっていました。
夏以降に忙しくなり読書量が減ったことで本屋に数週間行かない期間もでてきて買う量も減っていってます。
来年は少し落ち着いていける(はず)なので、ゆっくり好きな本を読んでいきたいです。あとはもう少し楽に読めるものを持っておきたいですね。
*1:婚活のまとめを書いていた